双方向でスマートな英会話のやり取りを心がけよう

英会話は、互いに話し合い、それと同時に聞きあうような双方向のコミュニケーションです。このやり取りが成立するためには、なるべくスマートな英語表現を心がけたいものです。

まず、オンライン英会話を受講しているうちに、ひとつの発言のなかで出来るだけ多くの文法事項を用いて、複雑な構文や語法も活用し、なるべく詳しい話ができるようにしようと思う方も多いと思います。

ひとつひとつの英文を区切らず、さまざまな文法事項を駆使して発言することは、とても高度な表現能力の練習に最適ですし、使える表現をどんどん増やすこともできます。

ところで、日本の英語教育は、従来からとても読み書きを重視し、話すことや聞き取ることに関するウェイトが低い傾向が見られます。単語や文法の知識、読解や英作文が中心となる一方で、リスニングやスピーキングはそれほど評価されていないと思います。

ただ、やはり実社会で英語を使いこなそうと思ったら、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能をまんべんなく上達させることが望ましいといえます。そこで気になるのは、書き言葉と話し言葉の違いです。

日本語でも、小説や随筆、新聞記事で見られるような書き言葉で話すひとは、そう見当たらないと思います。書き言葉は、ひとつのまとまった情報を伝えるのに最適ですし、段落ごとに意味がある情報のまとまりだといえます。

その一方、話し言葉は何も自分が一方的に話すわけではありません。自分が話している間は相手が聞き手に回っています。その逆も同じで、相手が話している間は、自分が聞き手に回ります。当然のことですが、これが英会話の実践でも考慮する必要があります。

日本の英語教育や、英検・TOEIC LRなどの英語対策を行っていると、どうしても読み書きを重視するあまり、好ましい話し方や聞き方といったコミュニケーションへの配慮を忘れてしまいがちです。

英語の場合においても、書き言葉にも要領があるように、話し言葉にも要領があります。また、聞き上手な方もいれば、話し下手な方もいます。英会話のコツは、長くて複雑な英文の読み書きができれば良いという長文読解や英作文のようなものではありません。

長い言い回しにこだわると

オンライン英会話で長い言い回しにこだわる方は、少しでも複雑な構文を使ってみたい、せっかく学習した文法事項を駆使してみたい、という気持ちもあるでしょう。

ただ、これをやったことがある方は、言い始めてから接続詞や関係代名詞を使ってやや強引に英文を引っ張ったり、いちいち修飾語句をつけて強調してみたり、もっとシンプルな表現を知っていても、あえてより複雑な表現を加えるといったことがあると思います。

長い英文にこだわって発言する方は、始めから発言をどう締めくくるか見えているわけではなく、途中で詰まったり、「あー、うー」ではありませんが、言葉を濁しながら話すということもあると思います。

「英会話では少しでも多くのことを話すようにしよう」という気持ちはわかりますが、そのことと、「ひとつの発言を少しでも長い言い回しにする」ということは違います。

ある程度まとまった考えを細部まで正確に伝える必要があるビジネス英会話の場合でも、取引先との交渉などで、ひとつの発言であらゆる事柄に触れるということは賢いやり方ではありません。ひとつひとつの発言をスマートな表現で短く区切ることも、相手との交渉では必要なことかと思います。

なんといっても、複雑で長い英語表現を行うことは、自分の発言にも時間がかかりますし、相手にも自分が言いたいことの主題がどこにあるのか、わかりにくくなります。

こういう話をする方は、相手の立場にしてみれば、この発言は一体どこで区切れるのかわかりにくいだけでなく、どこまで話が続くのか、一番言いたいことは何なのかが識別しにくく、とてもストレスがたまる会話になってしまいます。

先述の通り、英語の場合でも、読み書きと英会話の英語は違います。英文記事や英作文のような読み書きの英語は、ある程度込み入った意味のまとまりを伝える必要があり、自然と構文や語法も複雑なものを使うようになります。

その一方、英会話の英語は、相手がいて初めて成り立つ双方向のコミュニケーションです。互いに相手の言っていることをサッと理解できて、その場で自分の考えが正しく伝わるためには、スマートな表現で互いに言いたいことを伝え合う、双方向のやり取りがしやすいものにする必要があります。

スマートな英語で双方向の会話を

英会話では、相手から質問があれば、その質問にだけ適切な範囲でスマートに答える、余計な修飾語句や関連する事柄を無理にくっつけないということを心がけるだけでも、お互いにスッキリとした会話のやり取りが進みます。

オンライン英会話で英会話を学習していると、どうしても複雑な構文や長いフレーズを使ってみたくなるものです。ただ、そのような一方的な会話を続けていては、「ああ、そうですか」程度の応答しかもらえず、相手の気持ちをよく知ることができません。

英語はコミュニケーションツールであって、情報を得たり、英語を話す相手と仲良くなるための手段に過ぎません。英語を話すその先に、幅広い世界を知ることが目的なのであって、英語を話すために英語を話すわけではありません。

もちろん、長くて複雑な英語表現の技能を必要とする方もおられます。特に大学院生・研究者、医療従事者、英語で採用面接を受ける、会社の英語資料を使ったプレゼンなど、専門性の高い内容を英語で話す必要がある場合は、高度な文法や語法を使った表現を意識的に練習して良いと思います。

ただ、こうした特定の分野を掘り下げて表現する場合を除けば、一般的な日常英会話では、こうした長くて複雑な表現を多用することは、自分自身にもストレスになりますし、相手にも自分が何を一番言いたいのか伝わりにくくなりますし、これは好ましいコミュニケーションとはいえません。

例えば、趣味や特技、好きな食べ物、互いの国の文化や流行っている事柄を話し合う場合でも、何かを聞かれていきなり一から十まで喋ってしまうようでは、これは双方向の英会話とはいえません。

双方向の英会話とは、ひとつひとつの発言に対して、スマートですぐ理解できる表現で応答し、自分からも相手のことを聞いてみたり、それぞれの印象を述べ合ったりするなかで、自分と相手がより良い関係になるコミュニケーションだといえます。

自分のことばかり話すひとは、英語でなくてもあまり好ましいとはいえません。自分のことも適度に話しつつ、相手が話す時間も与え、互いにスマートな表現で受け取ってもらいやすい英語を使うことで、相手のことが分かり合える会話が成り立つといえます。

複雑な構文や高度な語法を使った英会話の練習が、すべて悪いわけではありません。ただ、そこで自分と相手の間で英語を通じた良好なつながりが出来ているのかどうかは、本当のコミュニケーション技能が備わっているかどうかに関わってきます。

英語を話すための英語になっていないでしょうか?独善的で一方的に話をするだけの英会話になっていないでしょうか?こうした点を心に留め置き、双方向でスマートな英会話を心がけることで、より良いコミュニケーションスキルの向上につながるといえます。

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